欧州委員会は23日、イランに対する1,800万ユーロの支援策を採択したと発表した。イランの核開発を制限するため、2015年に同国と欧米6カ国が結んだ核合意に基づく協力関係の一環。EUは総額で5,000万ユーロの支援を計画しており、今回はその第1弾として、成長が見込まれる中小企業の支援などに充当する。
イランをめぐっては、米トランプ政権が核合意離脱に伴う措置として、今月初めに同国への経済制裁を一部再開した。一方、EUは核合意の堅持を目指しており、今回の支援策は米国による経済制裁の影響を緩和し、イランを核合意に留まらせる狙いがある。
欧州委によると、1,800万ユーロの援助計画の内訳は、中小企業を含む民間部門への支援が800万ユーロ、環境対策が800万ユーロ、薬物依存症対策が200万ユーロとなっている。
EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表は声明で「核合意を受けてEUとイランは多くの分野で協力関係を発展させてきた。新たな支援策により、EU市民の利益に直結する分野でイランとの経済関係はさらに拡大する」と強調。米離脱後も核合意を堅持する姿勢を改めて示した。