自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は17日、電気自動車(EV)向けに開発したプラットホーム「MEB」をドレスデン工場で初公開した。同社はMEBを手頃な価格のEVを実現するためのカギと位置づけており、同プラットホーム採用のモデルをグループ全体でまずは1,000万台、生産する目標だ。
EVには内燃機関車に比べて◇価格が高い◇航続距離が短い◇エネルギーの補給時間が長い――という弱みがあり、これが普及の大きなネックとなっている。MEBプラットホームではこれらの弱点を克服。大型電池を組み込むことで航続距離を伸ばすことに成功し、充電率についても30分で80%を実現した。価格については一般の消費者の手の届くレベルを念頭に置いている。
MEBではまた、電池を床下に設置することから車内空間を広くとれるというメリットがある。さらに、すべてのモデルがフルコネクテッドカーとなる。
VWは同プラットホームを採用したEVシリーズ「ID」の生産を2019年末から独ツヴィッカウ工場で開始する。20年にはVWブランド乗用車の電動車およそ15万台を販売し、そのうち10万台をドイツ製のIDモデルとする計画だ。22年末までにはグループの4ブランドのMEB車、計27モデルを世界各地の拠点で生産するとしている。