ポルシェがディーゼル車事業から撤退

フォルクスワーゲン(VW)の超高級車子会社ポルシェは23日、ディーゼル車の製造・販売事業から撤退すると発表した。ディーゼル車からの撤退を決めた独メーカーは同社が初めて。VWグループのディーゼル車排ガス不正問題で同社のブランドイメージに傷がついたうえ、都市部での走行制限を背景にディーゼル車需要も減少していることを踏まえた措置で、今後はガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車に経営資源を絞り込む。

ポルシェはSUV「カイエン」「マカン」、4ドアセダン「パナメーラ」でディーゼル車を製造・販売している。同社の販売台数に占める割合は小さいものの、走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を2020年以降、平均95グラム以下に抑制することをメーカーに義務づける欧州連合(EU)のルールを遵守するためにはディーゼル車が欠かせないと判断し、同事業を行ってきた。

ポルシェはディーゼルエンジンの開発・製造を手がけておらず、すべてVWグループから供給を受けている。このためディーゼル車排ガス不正問題のしわ寄せで、リコール(無料の回収・修理)を余儀なくされたことに対するポルシェの怒りは大きく、オリファー・ブルーメ社長は昨年7月の時点で、ディーゼル車の廃止を選択肢の1つとして検討していることを明らかにしていた。

ポルシェが主に手がけるスポーツ車にディーゼルエンジンは適さないという事情も今回の決定を後押しした。

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