英国のシンクタンクZ/Yenグループが12日発表した最新の世界金融センター指数(GFCI)で独フランクフルトが10位につけ、前回(今春)の20位から大幅に順位を上げた。英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けて国際的な金融機関がロンドンの業務の一部をフランクフルトに移管し始めていることがプラスに働いた格好。金融機関の誘致合戦で競合するルクセンブルクは横ばいの21位、パリは1ランク上昇の23位にとどまり、ダブリンは6ランクダウンの37位へと落ち込んだ。
これまで1位だったロンドンはニューヨークに抜かれ2位へと転落した。英国が通商協定を締結しないままEUから離脱する「無秩序離脱」のリスクが高まっていることが響いた。
フランクフルト以外の欧州金融センターではアムステルダム、ウィーン、エストニアのタリンが2ケタ台のランクアップを記録。タリンは前回の79位から52位へと急上昇した。
フランクフルトの金融立地競争力強化を目的とする非営利法人「フランクフルト・マイン・ファイナンス」のフベルトゥス・フェート専務理事は地元紙に、英国のEU離脱を受けてフランクフルト拠点の拡大方針を打ち出した銀行がすでに26行に上ることを指摘。これに伴い年内に1,500~2,000人の新規雇用が創出され、2024年には1万人に拡大するとの見方を示した。金融サービス事業者のほか、これらの企業にサービスを提供する弁護士事務所、会計事務所、IT企業も雇用を大幅に拡大するとしている。