独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下のシュコダ自動車は19日、本社があるチェコ北部ムラダー・ボレスラフのデータ処理センターを大幅に強化すると発表した。2025年事業戦略を支えるデジタル化に向けた措置で、電気自動車(EV)、自動運転、コネクティビティなど自動車業界の抜本的な変革を事業成長につなげられる技術的前提を整える。完了すると、企業の持つ自前のデータ処理センタオーとしてチェコ最大になるという。
センター拡張計画によると、高性能計算(HPC)能力を段階的に引き上げ、将来的に現状の10倍の15ペタフロップス(浮動小数点演算処理能力が毎秒1京5,000兆回に相当)を実現する。センター拡張部分はデータ保存のほか、技術開発・製造部門が行う仮想現実(VR)、視覚化、同期化などの業務に使われる。将来的には車両間通信データの保存にも利用される。
施設拡張後は、サーバーラック500台(延べ面積約1,700平方メートル)にサーバー6,500台を収容し、全長210キロメートルに及ぶ電気ケーブルを配線する。また、コンピュータ冷却装置の排熱を回収し暖房に利用するシステムを新たに導入し、エネルギー効率化も図る。