欧州トラック大手のボルボ(スウェーデン)が、米国の対イラン制裁再開を受けて、イランでのトラック生産を中止した。同社の広報担当者が9月24日、ロイター通信に明らかにした。
8月に再開されたイランへの経済制裁は、自動車や鉄鋼などが対象。イランと取引する第3国の企業も制裁対象となる。EUはイランと取引関係がある欧州企業を保護するため、「ブロッキング規則」と呼ばれる対抗策を発動しているが、ボルボは制裁の影響でイランの銀行システムが機能しなくなり、同国に供給した部品の代金を回収できなくなったとして、生産中止を決めた。
ボルボはイラン同業のサーイパー・ディーゼルと提携し、イランでトラックを組み立ててきた。同国を湾岸諸国、北アフリカ向けの輸出拠点とすることを目指していたが、米の制裁再開で操業停止に追い込まれた。
欧州の自動車メーカーでは、仏PSAグループが6月、イランにおける合弁事業から撤退する意向を表明していた。