中興通訊、モルドバでの電気バス生産を検討

中国通信大手の中興通訊(ZTE)がモルドバでの電気バス生産を検討している。同社の代表団が9月25日、同国のパヴェル・フィリプ首相と会談した際に明らかにした。首相は建設的な交渉に向け、政府内に作業グループを立ち上げ、同社と合同で投資計画を盛り込んだ基本合意案の策定にかかるよう指示した。

ZTEはスマートフォンなどの通信機器と通信・情報技術ソリューションを主力事業とし、世界160カ国超で事業展開する国際企業。2016年、電気バスメーカー珠海広通客車を買収し、電気自動車(EV)事業参入に向けて中興智能汽車を設立した。

EV事業は車両の開発・製造・販売からワイヤレス充電システム、車載ネットワークソリューションなどの新技術開発まで多岐に及ぶ。EV車両の年間生産能力はバスが200万台、高級乗用車が1万台。主力市場は中国で、欧州、米国、オーストラリアなど30カ国以上に輸出している。

フィリプ首相はZTEとの会談で、投資優遇措置のある自由経済区や仮想ITパークでの工場建設を勧めた。欧州連合(EU)、ロシアを中心とした独立国家共同体(CIS)、トルコと自由貿易協定を結んでいることも、同国進出の魅力としてアピールしている。現在、中国とも同様の協定で交渉している。

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