チェコで不法就労する人の数が増加している。同国の労働社会省によると、2016年以来増加傾向にあり、その数は25万人に上ると推測される。多くが欧州連合(EU)諸国以外の国の出身者で、正規の事業者ではなく未登録の違法なブローカーの仲介で就労しているもようだ。背景には同国における慢性的な人手不足と賃金上昇がある。
派遣事業者協会によると、同国では2012年以来、就労許可の必要な非欧州連合(EU)諸国出身者を、派遣会社が雇用することは禁じられている。また、高度専門人材に発給されるEUブルーカードや雇用許可証を持つEU外出身者を派遣することも禁止されている。
同国の不法就労者の多くは違法なブローカーが仲介している。労働社会省によると、不法就労者の数の増加と並行して外国人の比率が高まり、2016年以来はチェコ人を上回っている。
現地紙『ムラダー・フロンタ・ドゥネス』によると、当局が2017年に行った抜き打ち調査で判明した3,000人の不法就労者のうち、70%以上がEU以外の諸国の出身者で、特にウクライナ、モルドバ、ベトナムが多かった。
国家労働監督局が昨年摘発し罰金を科したケースは440件だった。同局によると今年も増加傾向にあるという。