独コンソーシアム、リチウム採掘・加工でボリビア公社と協力

ドイツのコンソーシアムが、ボリビアのウユニ塩湖のリチウム採掘・加工でボリビアの国営企業ボリビア・リチウム鉱床(YLB)と協力する。独コンソーシアムを統括するACIシステムズ・アレマニア(ACISA)が5日、YLBと協力契約を締結した。年内にYLBとACISAによる官民の合弁会社を設立する計画で、出資比率はYLBが51%となる予定。2021年下半期に原料としてのリチウムの生産を開始する計画で、2022年末までに水酸化リチウムの生産能力で年3万5,000~4万トンを達成し、さらに生産能力を引き上げていく計画。

ACISAは、独ACIグループ傘下で太陽光発電システムやバッテリーシステムの生産ラインなどの産業設備の提供やプロジェクト管理を事業としている。コンソーシアムにはこのほか、テューリンゲン州のK-UTECも参加している。

ACISAを中心とするコンソーシアムは、当該プロジェクトに必要な技術や設備、機械を提供するほか、再生可能エネルギーの活用など環境・社会的観点の導入や、人材育成を通したノウハウ移転でも協力する。中期的に、リチウムの採掘から陰極(カソード)材料の加工、バッテリーシステムの生産までの一連の工程をボリビアで行う体制の構築を目指す。ACISAによると、今回のプロジェクトを通して、ボリビアでは直接雇用で500~1,000人、輸送、物流、サービスなどの間接雇用で最大1万人の雇用創出が見込まれている。

独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、ドイツのコンソーシアムは当該プロジェクトに関するボリビア政府による入札を4月に落札した。入札には、中国、ロシア、韓国からの参加もあったもよう。

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