スマート・ヘッドランプ・テクノロジー(SHT)

ヘッドランプの開発工程の効率化に関するドイツの共同研究プロジェクト。フラウンホーファー・メカトロニクスデザイン技術研究所(IEM)、独自動車用照明・電子部品大手のヘラー、パダボーン大学のハインツ・ニクスドルフ研究所、ドルトムント工科大学が参加している。また、欧州連合(EU)は、欧州地域開発基金(ERDF)を通して350万ユーロを支援している。

最近のヘッドライトシステムは多機能化が進み、複雑な構造となっている。これに伴い、開発工程も複雑化している。このため、今回のプロジェクトでは、開発をより効率よく進めるための方法を研究する。プロジェクトは2017年4月に開始した。実施期間は3年。

開発するヘッドランプは、潜在的な不具合を早期に認識し(コンディションモニタリング)、修正する(セルフヒーリング)機能を装備する。

同プロジェクトでは、開発工程を効率化するため、ハードウェアインザループ(HIL)シミュレーションを使い、実際のシステムを仮想環境で試験する。HILでは、システムの制御対象をコンピューターでモデル化し、実際のシステムと連携して、どのようにシステムが作動するかを試験することができる。例えば、運転シミュレーションと連携し、配光や機能などを開発の初期段階で包括的に試験することができる。

今回のプロジェクトでは、フラウンホーファー研究所(IEM)が自動車のフロント部分の実際の動きをシミュレーションできるモデルを開発した。

これらの研究結果に基づいて、ヘラーがLEDヘッドランプのプロトタイプを製造する。このプロトタイプを実際の車両に装着し、路上を走行して実用試験する。試験の成果は、今後の開発・改良に役立てる。

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