電機大手のシーメンスとベルリン市は31日、同市北西部のシュパンダウ地区にある区画「シーメンスシュタット(シーメンス・シティの意)」を再開発することで合意した。デジタル化時代にふさわしい形へと抜本的に進化させる計画で、シーメンスは最大6億ユーロを投資する。
シーメンスシュタットは仕事場と住居を同じエリアに設置するというコンセプトに基づいて1900年に開設された区画。同社や他の企業の産業施設のほか、住宅地が広がっている。
シーメンスはこれを2030年までに、デジタル社会に適した未来型の区画「シーメンスシュタット2.0」へと発展させる。労働、研究、居住、学習を一つのエリアで行えるようにし画期的なアイデアや技術を生み出すオープンなエコシステムを創出する考えだ。特に分散型エネルギーシステムやEモビリティ、機械学習、IoT、人工知能(AI)、ビッグデータ、ブロックチェーン、積層造形技術などの最先端分野を重視している。
産学の連携を促進するために、同区画には研究機関を招致する。また、スタートアップ企業向けの施設を設置し、画期的な技術などを実用化しやすくする。