チェコの企業関係者がアラブ首長国連邦(UAE)との経済協力に注目している。UAEは石油に依存する経済構造から脱却しようとしており、宇宙開発プロジェクトを打ち出したり、国際博覧会をホストするなど産業の多角化に向けた動きを進めている。このためチェコの産業界は宇宙関連産業やナノテクノロジーなどハイテク産業で商機を見出そうとしている模様だ。
チェコの貿易振興庁(チェコトレード)によると、UAEはチェコにとり中東第2位の輸出先。近年は特に防衛関連産業での協力が進展している。石油関連産業以外の振興を図りたいUAEは、2020年に中東地域で初めてとなる国際博覧会をドバイで開催することを予定しているほか、2021年に火星の軌道上に衛星を打ち上げることを計画している。それについて、宇宙関連企業が加盟するチェコ宇宙連盟(Czech Space Alliance)の関係者は、チェコにはセンサー、光学機器やソフトウエアなどのノウハウがあることから衛星やロケット、衛星制御システムなどの開発で貢献できると述べた。宇宙関連産業以外ではナノテクノロジー、電子技術、通信及びデザインなどの分野が有望視されている。
貿易振興庁によると、2017年のチェコからUAEへの輸出額は8億3,740万ドル、輸入額は9,584万ドルだった。品目別では輸出で最も多かったのがヘリコプターや航空機で17%を占めた。一方輸入ではアルミが61%で1位だった。