ABB、中央アジア送電網にHVDC変電所設備を供給

スイスの重電・エンジニアリング大手ABBは9月末、高圧直流送電(HVDC)用変電所設備をタジキスタンとパキスタンに供給すると発表した。世界銀行が中央アジアで進める送電網・電力取引プロジェクト「CASA1000」の高圧送電インフラ構築の一環で行うもので、スペインのエンジニアリング・建設会社コブラと共同受注した。受注額は3億3,000万ドル。変電所の建設と設備の設置はコブラが請け負う。

「CASA1000」はキルギス共和国とタジキスタンの水力発電による電力をパキスタンとカザフスタンに供給するプロジェクトで、総投資額は約10億ドルに上る。電力需要が急増するパ・カ両国と、余剰電力を提供したいキ・タ両国を結ぶ送電インフラを整備するとともに、電力取引をスムーズに行えるよう取引規定や実行機関についても取り決める。プロジェクト完了は2020年を予定する。

ABBはHVDC電力分野ではこれまで120超のプロジェクトを受注しており、設置済み設備の総発電能力は13万メガワットを超える。同社は「CASA1000」での受注について、高性能で環境にやさしい送電網の構築における統合的なソリューションが高く評価された結果だとしている。同プロジェクトの送電網は送電電圧が500キロボルト、送電容量が1,300メガワットとなる。

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