チェコの原発工事の受注合戦で、韓国の水力原子力発電会社(KHNP)が有望視されている。チェコ原子力安全局のドラボヴァー局長が現地ラジオ局に明らかにしたもので、工期・費用の現実性から判断すると、競合をリードしているという。ただ、発注先は他の条件にも照らして決定されるとし、あくまで現段階の感触であることを強調した。
チェコは既存原発における原子炉新設を計画しているが、発注先や資金調達法などの面でなかなか進展がみえない。商務省のシュトゥレル原子力エネルギー特別担当官によると、資金調達については年内に方針が決まる見通しだ。また、原子炉1基当たりの建設費は800億~1,500億コルナ(約4,041億~7,578億円)と見込まれている。
チェコの国家エネルギー政策では2035年までに原発プロジェクトの完了を計画していた。しかし、すでに2~3年遅延していることから、ドラボヴァー局長は「2040年ぐらいまでに完了するとみるのが現実的」とコメントしている。
受注合戦にはKHNPのほか、ロシア原子力公社(ロスアトム)、中国広核集団(CGN)、米ウエスチングハウス、仏電力公社(EDF)、三菱重工とフランス電力(EDF)の合弁会社アトメアが参加している。(1CZK=5.02JPY)