自動車部品大手の独コンチネンタル(ハノーバー)は15日、シンガポール向けの自動運転技術開発を仏スタートアップ企業イージーマイルと共同で行うと発表した。イージーマイルのソフトウエアを搭載したコンチネンタルのロボットタクシー「CUbE」の走行テストを同国の公道で実現することを目指す。
シンガポールにあるコンチネンタルの敷地内で同日、両社のチームが作業を開始した。公道テストの準備として車両の周辺認識と意思決定、人工知能(AI)、走行の安全性、システム統合の分野で開発に取り組む。
シンガポール政府は公共交通機関でカバーできないいわゆるファーストマイル(自宅と駅などを結ぶ区間)とラストマイル(駅などと目的地を結ぶ区間)にロボットタクシーを投入することを計画している。公共交通機関の利便性を高めることが狙いで、2020年代初頭までにテスト都市3カ所を選定する予定だ。両社はこれに合わせて開発を進めていく。
CUbEは自動運転技術を開発するためにコンチネンタルが作製したテスト車両で、これまでに独フランクフルトと米ミシガン州オーバーンヒルズでテスト走行を行った。今後は日本の道路事情に適した技術の開発に向けて現地テストを行う予定で、車両を現在、船で輸送中だ。
イージーマイルは自動運転システム開発のスタートアップで、14年に設立された。コンチネンタルは17年、同社に資本参加した。CUbEはイージーマイルの自動運転車「EZ10」をベースに開発された。