独再生可能エネルギー大手のイノジーは22日、ポーランドで初めて実施された再生可能エネルギー調達入札で、自社の陸上風力発電プラント2カ所の事業計画が選ばれたと発表した。合計出力は85.2メガワット。来年初めに社内で投資実施を正式決定する予定だ。
イノジーはドルヌィ・シロンスク県のジュコヴィツェと西ポモージェ県のドリツェに風力プラントを設置する。出力はそれぞれ33メガワット(MW)と52.2MW。具体的な落札価格は明らかにされていないが、入札全体における平均落札価格は1MW時あたり196.17ズロチ(45.55ユーロ)だった。
今回の入札は「発電差額精算制度(CFD)」に基づいて実施された。これは発電事業者に一定の電力販売価格(=落札価格)を保証するものだ。市場価格が販売価格を下回ったときには事業者はその差額を受け取れる。逆に上回った時には差額を補填しなければならない。
ポーランドでは「法と正義(PiS)」が2015年に政権に就くまで、風力発電が急速に伸びていた。しかし、PiS政府が石炭火力発電に軸足を移したため、その後は整備が進んでいなかった。
ポーランドは欧州連合(EU)の取り決めにより、20年までに国内電力需要の15%以上を再可エネでまかなわなければならない。このため、風力ブームが再来すると期待されている。(1PLN=29.93)