英・オランダ系の食品・日用品大手ユニリーバは11月29日、ポール・ポールマン最高経営責任者(CEO)が来年1月1日付で退任すると発表した。新CEOには美容・パーソナルケア部門の責任者を務めるアラン・ジョープ氏(54)が就任する。10年ぶりのトップ交代となる。
ポールマン氏は2009年1月にCEOに就任。新興市場での事業拡大などを通じてユニリーバを成長に導き、任期の10年間で株価を290%押し上げた実績がある。しかし、ロンドンとロッテルダムに本社を置く二重構造を解消し、ロッテルダムに本社機能を統合することを柱とする組織再編計画が英国の株主の反発を浴び、発表から7カ月後の10月に撤回を迫られた経緯がある。
トップ交代には、これをめぐる株主とのしこりが一因との見方もあるが、デッカーズ会長は同問題と「関係ない」と述べた。
ジョープ氏は1985年にユニリーバに入社。中国部門の幹部などを経て、同社の中核事業である美容・パーソナルケア部門の責任者となっていた。