アウトドア用品大手の独ジャックウルフスキン(イトシュタイン)は11月30日、ゴルフ用品大手の米キャロウェイゴルフがヘッジファンド3社から同社を完全買収することで合意したと発表した。キャロウェイは事業の補完性が高いと判断し、ジャックウルフスキンの買収を決めた。取引金額は4億1,800万ユーロ。独禁審査を経て買収手続きが来年1-3月期に完了すると見込んでいる。
ジャックウルフスキンは普段着としても使えるジャケットなどファッション性を重視したライフスタイル系のアウトドア用品を手がけている。キャロウェイはこれが同社の事業を補うのに適しているとみている。
アウトドア用品市場は世界的に拡大しているものの、競争が厳しく、ジャックウルフスキンは一時、業績が悪化。昨年には投資会社ブラックストーンが同社をヘッジファンド3社(ベイン・キャピタル・クレジット、HIGベイサイド・キャピタル、CQS)に譲渡した。
業績はすでに改善しており、今年は営業利益が前年比およそ20%増の4,210万ユーロに拡大する見通しだ。売上高は3億3,400万ユーロを見込む。キャロウェイは北米、日本市場に強いことから、ジャックウルフスキンは同社の傘下に入ることで、これらの市場でのプレゼンスを強化。事業のグローバル化を推し進めていく。