プラごみ削減に向け世界の企業が協働、独からBASFなど参加

世界の石油・化学企業およそ30社は16日、プラスチックごみの削減に向けた非営利団体「プラスチック廃棄物を除去するためのアライアンス(AEPW)」を立ち上げた。適切に廃棄処理されない樹脂製包装材などが海洋汚染などの深刻な環境破壊をもたらしている問題の包括的な解決を目指す。ドイツからはBASF、コベストロ、ヘンケルの3社、日本からも三菱ケミカルホールディングス、三井化学、住友化学の3社が参加した。

樹脂製包装材などのプラスチックごみは河川を通して海洋に流れ込み、マイクロプラスチックによる水質汚染や、海洋生物や鳥による誤食など生態系に大きな影響をもたらしている。海洋保護団体オーシャン・コンサーバンシーの調査によると、プラスチックごみの大半はごみ収集とリサイクルインフラが不十分やアジアとアフリカの計10河川を通して海に流れ込んでいる。

AEPWはこれを踏まえ、◇ごみ収集・管理とリサイクルインフラの開発◇プラスチックのリサイクル・回収を容易に行えるようにするための新技術の促進とスケール化◇啓発活動および政府・企業・自治体による取り組みの促進◇投棄されるプラスチックごみの量が多い河川や地域の浄化――の4分野に焦点を合わせて問題解決に取り組んでいく。政府、国際機関、大学、非政府組織などと協力する考えだ。今後5年間に計15億ドルを投資する目標を掲げており、すでに10億ドルの確保にめどをつけた。

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