フランクフルト国際空港を運営するフラポートは13日、空飛ぶロボットタクシー(無人機)の導入に向けコンセプトを開発する発表した。同空港と市中心部を結ぶ形で運行する考えで、必要なインフラや法律上の問題などを空飛ぶロボタクの開発会社ボロコプターと共同検討していく。広報担当者は5~10年後に実用化する見通しを明らかにした。
フランクフルト空港へのアクセスには現在、都市近郊鉄道Sバーンとタクシー、自家用車が主に利用されている。市中心部からSバーンを使って空港に行く際の所要時間は約15分と短い。ただ、大きな荷物を持っていると時間帯によってはスペースが少なく窮屈な思いをすることになる。タクシーと自家用車ではそうした心配がないものの、渋滞につかまると所要時間は30分を超える。自家用車の場合は1時間当たり最大5ユーロの駐車料金がかかるという事情もある。
空飛ぶロボタクであれば、こうした問題がないことから、フラポートは新たなアクセス手段として実用化したい考えだ。
ボロコプターは電動の空飛ぶロボタクのテストを中東ドバイで実施し、都市交通に適していることを実証した。今後2年以内に実用化の許可が下りるとみている。
ただ、空港で実用化するためには多くの問題をクリアしなければならない。例えば空港の1.5キロ圏内に無人の飛行物体が入ることは安全上の理由から禁止されおり、空飛ぶロボタクの乗り入れを認めるためには例外ルールを作成しなければならない。駐機スペースをどの程度の広さにすべきか、あるいは市内のどこに乗り場を設置すべきかなども需要調査などをもとに明らかにしなければならない。
独コンサルティング会社ホルバートによると、空飛ぶタクシーは大都市での利用が2025年に始まり、35年までに交通手段として幅広く定着する見通し。実用化されると道路の渋滞が緩和されると見込まれている。