バイヤスドルフがコスメティック部門の投資拡大

化学大手の独バイヤスドルフは26日、コスメティック部門の投資額を今年から年7,000万~8,000万ユーロ引き上げると発表した。業界が大きな転換期を迎えていることから、重点分野への投資を通して、市場の拡大を上回る成長を安定的に確保できるようにする狙い。2023年までに同部門の実質売上成長率で4~6%、売上高営業利益率(EBITベース)で16~17%を確保する目標だ。投資の拡大に伴い、今年は利益率が低下すると予想している。

コスメティック業界では現在、消費者各人のニーズに合致したオーダーメイドな製品・サービスの需要が拡大したり、小規模な新ブランドが台頭するなど、量産を武器とする大手メーカーは対応を迫られている。バイヤスドルフはこうした現状を踏まえ◇新市場・事業分野の開拓◇スキンケア分野の製品拡充◇デジタル化の加速◇生産性の向上◇社会参加――の5分野を戦略上の優先分野に指定。重点的に投資を行っていく。製品拡充では買収を視野に入れている。同社が未進出の市場ではライセンス供与や現地企業との提携を推し進めていく。

コスメティック部門の今年の売上高営業利益率は14~14.5%となり、昨年の15.3%から低下する見通し。売上成長率は実質3~5%(昨年5.0%)を予想している。バイヤスドルフ全体では売上成長率で3~4%(同6.8%)、売上高営業利益率で前年実績の15.7%をやや上回る水準を見込む。

上部へスクロール