軸受け大手の独シェフラーは6日、自動車向け部門の再編計画「RACE」を発表した。業績不振を受けた措置で、エンジン、トランスミッション関連事業の一部を売却するほか、小規模拠点の統廃合を実施。同部門の従業員5万5,000人のうち900人を整理する。クラウス・ローゼンフェルト社長は「自動車向け部門の問題は極めて広範囲のポートフォリオを抱えていることにある」と述べ、一部事業の放出は必要不可欠だとの認識を示した。今年はリストラ費用6,000万ユーロを計上するものの、1年半から2年後には年コストを9,000万ユーロ圧縮する意向だ。
業績不振を受けて、同社は2020年までに売上高を160億ユーロ、売上高営業利益率(特別費を除いたEBITベース)を12~13%に引き上げるとした中期目標を撤回した。また、今後2~3年は先行きを読みにくいとして、現時点で新たな中期目標を公表するのは適切でないとの認識を示した。
同日発表した18年12月期決算のEBIT(特別費を除く)は13億8,100万ユーロとなり、前期を12.8%下回った。自動車向け部門の不振が響いた格好。同部門は従来からの業績不振に加えて、欧州連合(EU)の排ガス検査方式変更に伴う自動車販売の減少と、中国自動車市場の低迷が追い打ちとなり、EBIT(同)が28.8%減の6億9,300万ユーロへと大きく落ち込んだ。
売上高は約142億ユーロで、為替の影響を除いた実質で3.9%増加。売上高営業利益率は前期の11.3%から9.7%へと下落した。純利益は10.1%減って8億8,100万ユーロとなった。
19年12月期は実質売上成長率で1~3%、売上高営業利益率で8~9%を見込む。