欧州連合(EU)の研究開発支援プログラム「ホライズン2020」が資金支援するマグネシウム電池の研究プロジェクト。スペインの研究機関CIDETECが幹事を務めており、同国の再生可能エネルギー会社アベンゴアのほか、欧州の研究機関など10パートナーが参加している。
実施期間は2019年1月1日~2022年12月31日までの4年間。EUがプロジェクト予算(約673万ユーロ)を支援する。
マグネシウム電池は、正極(アノード)にマグネシウムを使用した電池。二次電池として現在主流のリチウムイオン電池に比べ、エネルギー密度が高く、安全性に優れるなどの利点がある。また、マグネシウムはリチウムに比べ資源が豊富なため、生産コストを低く抑えることができる。その一方、マグネシウム電池は耐久性が低く、寿命が短い難点がある。同プロジェクトでは、材料の研究やセルの生産プロセスなど様々な研究テーマに取り組む。
同プロジェクトに参加するカールスルーエ技術研究所(KIT)によると、リチウムイオン電池ではアジア企業が主導的な地位にあるが、欧州でマグネシウム電池の開発が円滑に進めば、欧州企業が電池分野で挽回を図るチャンスがあるとの期待もある。
■ プロジェクト参加企業・機関:
FUNDACION CIDETEC(スペイン)
バル=イラン大学(イスラエル)
フランスの原子力・ 代替エネルギー庁(CEA)(フランス)
スペイン高等科学研究院(CSIC)(スペイン)
カールスルーエ技術研究所(KIT)(ドイツ)
デンマーク工科大学(DTU)(デンマーク)
ドイツ航空宇宙センター(DLR)(ドイツ)
ケンブリッジ大学(英国)
テクニオン・イスラエル工科大学(イスラエル)
ABENGOA INNOVACION SOCIEDAD ANONIMA(スペイン)