スウェーデンの乗用車大手ボルボ・カーは4日、自動車事故対策の一環として、2020年以降に発売する新車にスピードを抑制するシステムを導入すると発表した。スピードの出し過ぎによる死亡事故を防ぐのが目的で、最高速度を時速180キロメートルに抑制するシステムを導入する。
ボルボは2007年、同社の車による死亡事故を20年までにゼロにするという目標を掲げ、安全対策を強化してきた。同目標の達成に向けて、走行速度を制限することを決めた。
ホーカン・サムエルソン最高経営責任者(CEO)は、これによって高速道路の速度制限がないドイツなどの市場でボルボ車の販売が減る恐れがあるとしながらも、安全対策強化で「新たな顧客を取り込むことができる」と述べた。
このほか同社は、GPS(全地球測位システム)技術を活用し、学校や病院の近くを車が走行する際に速度を抑制するシステムや、車内の監視カメラで運転中の携帯電話使用、飲酒運転をチェックするシステムの導入も計画している。