デンマーク物流大手DSV、スイス企業に買収提案

デンマークの物流大手DSVは16日、スイスの同業パナルピナに対して約40億スイスフラン(約4,410億円)の買収案を提示したと発表した。両者の取引が成立すると、貨物輸送で世界5位のDSVは同3位の独DBシェンカーに迫る事業規模となる。

DSVが提示した買収案はパナルピナを1株当たり170スイスフランと評価し、1株につきDSV株1.58株と現金55スイスフランを支払うという内容。これは11日の終値に24%上乗せした水準だ。DSVの発表を受けてパナルピナ株は一時、前日比31%高の179.3スイスフランまで上昇し、過去11年で最高水準を記録した。

1976年設立のDSVは2016年に米UTiワールドワイドを13億5,000万ドルで買収するなど、積極経営で事業拡大を推進してきた。昨年10月にはスイスのシーバ・ロジスティクスに対して1株当たり27.75スイスフランでの買収を提案したが、シーバ側が拒否。1株当たり30スイスフランに条件を引き上げて再び買収提案を行ったが、これも拒否されたため、交渉を打ち切った経緯がある。

DSVのイエンス・ビョルン最高経営責任者は「何年も前からパナルピナに注目していた。同社との統合が実現すると、DSVは欧州以外の市場で大幅に事業を拡大できる」とコメントした。

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