レーズン―提携先の銀行を買収―

金融関連のITスタートアップ企業(フィンテック)である独レーズンは7日、業務提携先の独銀MHBバンクを米投資会社ローン・スターから買収すると発表した。事業の国際化を加速することが狙い。買収金額と出資比率は非公開。決済サービスの米ペイパルなどから先ごろ投資資金1億ユーロ強を集めており、これを買収に充てる意向だ。独金融監督庁(BaFin)と欧州中央銀行(ECB)の承認を得て買収手続きを完了する。

レーズンはコンサルティング大手マッキンゼーのコンサルタント3人が2012年に設立した企業で、ベルリンに本社を置く。同社は欧州30カ国以上のパートナー銀行およそ70行の貯蓄商品などを、プラットホームを通して顧客に仲介する事業を展開している。これにより例えばドイツの消費者は金利の高いスペインの銀行に貯蓄。スペインの当該行は自国以外の顧客からも預金を獲得できる。

レーズンはこれまで、MHBバンクが持つ銀行免許を利用してサービスを提供してきた。だが、この方式だと国際化を進める際の手続きが煩雑なことから、同行を子会社化することにした。

MHBはレーズン以外のフィンテックとも協業していることから、今後も業務上の独立性を維持。事業を独自に展開していく。

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