リトアニアのLNG受入基地、事業拡大を狙う

リトアニア国営の石油ターミナル運営会社クライペドス・ナフタ(Klaipedos Nafta)は、クライペダ港で運営する液化天然ガス(LNG)受入基地の取扱量を大幅に引き上げ、地域のガス供給ハブに育てる方針だ。バルト海におけるガスパイプライン開発が活発化しているのを追い風に、市場での存在感を強め、ロシア産ガスへの依存緩和を目指す。

クライペダ・ナフタのユシウス社長によると、国際的な大手商社が中東欧ガス市場参入の足掛かりとして、クライペダLNG受入基地、フィンランドとエストニアを結ぶバルチックパイプ(2019年開通予定)およびポーランドとリトアニアの天然ガス相互接続管(GIPL、21年開通予定)に注目している。GIPLが稼働すれば、クライペダ基地から中欧やウクライナへ輸出する可能性も拓けるためだ。

ユシウス社長は、「クライペダ基地にLNGを受け入れる余裕があるか、という企業からの照会が続いている」と話す。「最も近いポーランドのLNG受入基地が2035年まで予約でいっぱい」という隙をぬって、自社受入基地の稼働率を40~50%へ引き上げる目標を明らかにした。

設備投資については、ノルウェーのホーグから海上液化天然ガス受入基地(FSRU)を購入するかどうか2022年中に最終決定する予定だ。また欧州、中南米でLNG受入基地を開発する4つのプロジェクトへの参加も検討中という。

クライペダ基地は、ロシア産天然ガスに対するバルト3国の依存を軽減する目的で設置された。リトアニアのガス需要に占めるロシアの割合は2017年に約50%に上っている。昨年上半期の同国の対ロシア・ガス輸入量は4%減の7億6,400万立法メートルだった。

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