HLが中国でドローン配達、外資初のプロジェクトを億航と共同で開始

ドイツポストの小荷物配達子会社DHLは16日、ドローン(無人機)を用いた配達プロジェクトを中国で開始した。外資が同国でドローン配達を実施するのは初めて。現地のドローンメーカー億航(EHang)と共同で同プロジェクトを行う。

中国南部の広州市でプロジェクトを始めた。同地のDHLサービスセンターと8キロ離れた地点を結ぶ区間で毎日、ドローン輸送を行う。

ドローンは同センターと顧客宅にそれぞれ設置されたステーション間を飛行する。荷物を同ステーションのロッカーに入れると積み込みが自動的に行われ、ステーション上部からドローンが自動的に飛び立ち目的地のステーションまで飛行。積み下ろしも自動的に行われる。受取人が身分証明書を受け取りステーションの読み取り機にかざす、あるいは顔認証機能を利用すると、ロッカーが開き荷物を取り出せる。

ドローンは億航の最新モデル「ファルコン」を利用する。同モデルは離着陸時に、垂直に上昇・下降。飛行ルートは自動的に決定する。積載能力は5キロ。

中国南部の人口密集地域では物流需要と乗用車利用の急増を背景に渋滞が頻発していることから、DHLはドローンを用いることで、輸送時間を大幅に削減する。今回のプロジェクト区間の輸送時間は従来の40分から8分へと大幅に短縮される。これにより輸送に伴う二酸化炭素(CO2)の排出量も大幅に減少。コストは最大80%低下するという。

DHLはアフリカでも、ドローン製造の独スタートアップ企業ウイングコプター、独国際協力公社(GIZ)と共同でドローン輸送のプロジェクトを実施。ビクトリア湖上の島に医薬品を送り届けている。

ドイツ本国でも2013年から16年にかけて計3件のプロジェクトを実施したものの、規制が厳しくその後は棚上げになっている。

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