工作機械業界の受注、第1四半期は21%減少

独工作機械工業会(VDW)が22日発表した独業界の第1四半期(1〜3月)の新規受注高は前年同期比21%減と大幅に落ち込んだ。VDWは4月の時点で同13%減としていたが、今回、大幅に下方修正した。比較対象の2018年第1四半期は受注水準が極めて高くその反動が出たという事情があるものの、景気減速の影響も大きく、ヴィルフリート・シェーファー事務局長は「世界経済の冷え込みがついにドイツの工作機械業界にも波及してきた」と述べた。

国外受注が27%減(4月の速報値は4%減)と特に大きく落ち込んだ。ユーロ圏は3%減にとどまっており、ユーロ圏外が強く足を引っ張った格好だ。国内は10%減(同28%減)だった。

VDWは需要減の原因として新興国を直撃している通商摩擦、中国経済の弱含み、半導体業界の不振、自動車業界からの需要の減少を挙げた。

第1四半期の業界売上高は前年同期比で6%増加し、14年半ば以降で初めて受注高を上回った。受注残が多いことから、売り上げが伸びた。

4月の工場稼働率は86.5%で、18年平均を下回った。

VDWは19年通期の生産高が1%増加するとした従来予測を据え置いた。下半期に需要が回復することを前提としており、世界経済の状況次第では下方修正する可能性がある。

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