サンタンデール銀、メキシコ法人の全株取得

スペインの銀行最大手サンタンデールは12日、有望市場の中南米での事業拡大に向け、メキシコの現地法人サンタンデール・メヒコの未保有の株式25%を取得する方針を発表した。最大5億7,200万株の新株(約26億ユーロ相当)を発行し、株式交換でサンタンデール・メヒコの全株取得を目指す。

サンタンデール・メヒコは2018年にグループ全体の8%にあたる7億6,000万ユーロの営業利益を計上しており、メキシコは同行にとってブラジル、スペイン、英国、米国に次ぐ5番目の市場となっている。サンタンデールは12年、サンタンデール・メヒコの株式25%をメキシコ証券取引所に新規上場し、およそ40億ドルを調達。16年にはシステムの刷新や支店網の拡充を図るため、向こう3年間に7億4,000万ドルを投じる計画を打ち出した。

サンタンデールはメキシコ事業の拡大に向けてより迅速な経営判断と柔軟な事業運営を可能にするため、IPOで放出したサンタンデール・メヒコの株式を買い戻す。サンタンデール・メヒコの株主に提示した条件は、同行の株式1株につきサンタンデール0.337株を割り当てるという内容。これは11日の終値に14%上乗せした水準だ。

サンタンデールのアナ・ボティン会長は「(サンタンデール・メヒコの株主にとって)成長と予測可能な結果をもたらす世界有数の銀行に関与するチャンスだ」と述べ、提案に応じるよう呼びかけた。

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