EUは15日付で、域内の他の国に電話する際の料金を税抜きで1分あたり最大0.19ユーロ、ショートメッセージサービス(SMS)は1件あたり最大0.06ユーロに制限する新たな規制を導入した。EUが目指す「デジタル単一市場」の実現に向けた取り組みの一環で、英国を含む全加盟国で適用される。近くアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインの3カ国でも新規制が導入される。
EUはすべてのEU市民が低料金で基本的な通信サービスを利用できるようにするための改革を進めており、2017年6月には域外の他の国で帯電話を使用する際に徴収される国際ローミング料を撤廃した。今回の料金規制は昨年12月に施行された電気通信分野の規制パッケージ(09年制定)に代わる「欧州電気通信法典(EECC)」に盛り込まれていたもので、固定電話か携帯電話かにかかわらず新ルールが適用される。
欧州委員会によると、これまでEU内の他の国への通話料金は国内通話の平均3倍に上り(固定・携帯とも)、国によって最大10倍の開きがあった。また、SMSも国外宛ては国内料金の平均2倍に設定されていた。
欧州委のアンシプ副委員長(デジタル単一市場担当)は新規制について、「デジタル単一市場がいかに人々の日常生活に大きな変化をもたらすかを示す具体例だ」と強調。ガブリエル委員(デジタル経済・社会担当)は「携帯電話のローミング料廃止と今回の料金規制により、EU市民は域内のどこにいても同じ条件でサービスを利用できるようになり、想定外の高額な利用料金を請求されることもなくなる」とつけ加えた。