三菱UFJなど5行に約1300億円の制裁金、外国為替取引めぐるカルテルで

欧州委員会は16日、大手銀行が外国為替取引でカルテルを結び、EU競争法に違反したとして、日米欧の5行に計10億7,000万ユーロ(約1,300億円)の制裁金を科したと発表した。

制裁の対象となったのは英バークレイズ、英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、米シティグループ、米JPモルガンと三菱UFJ銀行の5行。制裁額はシティグループが3億1,080万ユーロで最高だった。RBSが2億4,920万ユーロ、JPモルガンが2億2,880万ユーロ、バークレイズが2億1,080万ユーロ、三菱UFJが6,975万ユーロとなっている。

欧州委によると、5行は2007年から13年にかけて、ユーロ、ポンド、米ドル、円、スイスフランなど11通貨の取引をめぐり、2つのカルテルを形成。各行の為替トレーダーはチャットルームで顧客の注文や取引価格、取引計画などの機密情報を交換し、それらの情報をもとに通貨取引を行っていた。

2つのカルテルは利用されていたチャットルームの名称に因んで「スリーウェイ・バナナ・スプリット」、「エセックス・エクスプレス」と呼ばれ、三菱UFJは後者、それ以外の4行は両方のカルテルに参加していた。5行はそれぞれカルテルへの関与を認め、欧州委の決定を受け入れることに同意したため、制裁金額は最大で60%減額された。なお、スイスのUBSも2つのカルテルに関与していたが、最初に共謀について欧州委に通報したため、制裁金を免れた。

欧州委のベスタエアー委員(競争政策担当)は今回の決定について、「金融市場のいかなる領域でも談合行為を看過しないという欧州委の姿勢を明確に示すものだ」と強調した。

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