独高級乗用車3社の第1四半期(1~3月)販売統計が11日、出そろった。世界経済の減速や通商摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱など厳しい状況のなかで、BMWは新モデル投入の効果でプラス成長を確保。ダイムラーの乗用車ブランド「メルセデスベンツ」とフォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディに差をつけた。販売台数ではメルセデスベンツが首位を堅持した。
「BMW」ブランドの販売台数は51万9,307台で、前年同期を0.4%上回った。世界的に人気が高いSUVの分野で「X2」「X3」「X4」のモデルチェンジを昨年、実施したことが奏功。販売台数が最も多い「3シリーズ」の新型車を3月に市場投入したこともあり、BMWは販売が今後、さらに伸びるとの見方を示した。BMWに「ミニ」と「ロールスロイス」ブランドを加えたBMWグループ全体の乗用車販売台数は0.1%増の60万5,333台で、ミニは1.8%減の8万4,820台、ロールスロイスは49.4%増の1,206台だった。グループが販売した電動車は2万7,044台で、前年同期を0.7%上回った。
BMWとミニの合計販売台数を地域別でみると、中国は10.1%増、南米は1.0%増と好調だった。
メルセデスベンツの販売台数は5.6%減の56万873台へと落ち込んだ。SUVとコンパクトカーのモデルチェンジを間近に控えていることが響いた。中国販売は17万4,343台で、前年同期を2.6%上回った。
メルセデスベンツに超小型車ブランド「スマート」を加えた「メルセデスベンツ・カーズ」の乗用車販売台数は5.9%減の万58万7,921台。スマートは12.0%減の2万7,048台と大きく落ち込んだ。
アウディの販売台数は3.6%減の44万7,250台で、これまでに引き続き高級車3位にとどまった。EUの排ガス検査方式変更への対応が遅れた影響で欧州販売が5.5%減の20万4,200台へと後退。米国も3.9%減の4万8,115台と振るわなかった。中国は3.3%増の15万9,334台となり、過去最高を更新した。
3社の販売に占める中国の割合はアウディが最も高く35.6%(前年同期33.3%)に達した。メルセデスベンツは31.1%(28.6%)、BMWは27.9%(27.9%)だった。