京セラは5月30日、独企業フリアテックからセラミック製造・販売事業を譲り受けることで合意したと発表した。同社は4月にもセラミック製品の製造・販売を手がける独エイチ・シー・スタルク・セラミックス(HCSC)を完全子会社化しており、今回の買収により欧州事業を一段と強化する意向だ。買収金額は明らかにしていない。当局の認可を得て買収手続きを今秋に完了する考えだ。
欧州事業を統括する独子会社京セラ・ファインセラミックスを通してフリアテックのセラミック事業を取得する。買収後は同事業を京セラ・ファインセラミックス・ソリューションズとして展開していく。
欧州は産業機械用ファインセラミック部品の大きな市場であるものの、京セラは従来、同地に生産拠点を持っていなかった。こうした現状を改めるためにHCSC(現京セラ・ファインセラミックス・プレシジョン)を買収。今回の買収により、欧州で主要なセラミック部品の製造から販売までを一括して行える体制を整える。これにより顧客への迅速な提案力、短期試作対応能力の強化。ファインセラミック事業を加速する。