ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した5月の乗用車新車登録台数は前年同月比9.1%増の33万2,962台と大幅に拡大した。比較対象の昨年5月に比べ営業日数が2日多かったことがプラスに働いた格好。1~5月の累計は前年同期比1.7%増の152万3,769台だった。
5月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(EV)は前年同月比100.4%増の4,630台と倍増し、シェアは1.4%に上った。ハイブリッド車(HV)は87.5%増の1万9,306台で、シェア5.8%を記録。プラグインハイブリッド車(PHV)は32.6%増の3,269台で、シェアは1.0%だった。
ガソリン車は0.7%増と小幅な伸びにとどまり、シェアは前年同月の64.0%から59.0%へと低下した。ディーゼル車は16.2%増え、シェアは31.3%から33.3%へと上昇した。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均158.3グラムで、前月(同158.6グラム)をやや下回った。欧州連合(EU)では昨年9月に排ガス検査方式が変更されたことから、KBAは今年、CO2排出量の前年同月比を公表しないことにしている。
車種別ではSUVの伸び率が大きく、32.0%に達した。シェアは20.3%。トップのコンパクトカーは1.6%増でシェアは20.5%だった。SUVは需要の急拡大が続いており、近い将来、コンパクトカーを抜いてシェア1位に浮上する見通しだ。
社用・公用車としての登録は12.1%増、マイカーとしての登録は4.5%増で、シェアはそれぞれ62.9%、37.1%だった。
増加率が最も大きかったブランドはテスラで、前年同月比116.5%増の433台を記録。これにレクサス(97.2%増の491台)、ボルボ(77.2%増の5,546台)、ランドローバー(44.5%増の1,536台)、BMW(41.9%増の2万6,995台)が続いた。
BMW以外のドイツ車ではスマート(36.3%増の4,430台)、フォード(18.0%増の2万6,011台)、オペル(15.2%増の2万1,622台)が2ケタ台の伸びを記録。メルセデス(9.5%増の2万9,793台)とポルシェ(3.9%増の3,101台)も前年同月を上回った。アウディ(4.3%減の2万5,816台)、VW(4.6%減の6万906台)、ミニ(17.4%減の3,780台)は減少した。
レクサス以外の日本車では三菱(32.4%増の5,120台)、マツダ(26.8%増の5,810台)、トヨタ(18.3%増の8,549台)が好調だった。そのほかはスズキが0.8%減の2,980台、日産が16.1%減の3,027台、ホンダが33.4%減の1,257台、スバルが35.2%減の428台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドではジャガー(37.1%増の853台)、セアト(34.9%増の1万4,139台)、シトロエン(30.1%増の5,980台)、プジョー(23.5%増の6,599台)、現代(17.7%増の1万747台)、双竜(14.5%増の260台)が2ケタ増を記録。フィアット(8.2%増の9,895台)、起亜(7.5%増の6,199台)、ダチア(3.9%増の7,807台)、シュコダ(3.5%増の1万8,701台)も増加した。そのほかはジープが2.0%減の1,449台、ルノーが11.0%減の1万394台、DSが32.4%減の267台、アルファロメオが54.4%減の283台へと落ち込んだ。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した5月の国内乗用車生産台数は44万5,700台で、前年同月を2%上回った。輸出台数は3%減の32万8,000台。1~5月は生産台数が前年同期比10%減の211万8,700台、輸出台数が12%減の160万3,900台だった。