自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が14日発表した5月のグループ新車販売台数は91万8,900台となり、前年同月を3.6%下回った。減少は9カ月連続。中国を含むアジア太平洋の不振が響いた。1〜5月累計は439万800台で、前年同期を3.7%割り込んだ。
アジ太平洋の5月の販売台数は33万5,700台で、前年同月から9.4%減少した。国別で最大の市場である中国は8.3%減の31万2,500台だった。
足元の西欧は0.1%減の34万5,500台。主要市場の独仏伊の3カ国で販売増となったものの、全体の落ち込みを相殺しきれなかった。
中東欧は0.6%減の7万200台で、ロシアは1.5%増の1万8,700台だった。
北米は4.3%増えて8万6,600台となった。主力の米国が7.5%増の6万台と好調だった。
南米は5万4,700台で、5.8%増加した。同地最大のブラジルが33.0%増の4万3,800台と急増し、全体を強く押し上げた。
5月の販売をブランド別でみると、乗用車はポルシェ(13.3%増)とセアト(10.5%増)を除いてすべて減少。VWブランド乗用車は5.1%減、アウディは5.4%減、シュコダは6.6%減だった。商用車はMANとスカニアがともに20.8%増加したものの、VWブランド商用車は7.8%落ち込んだ。
1〜5月の販売台数を地域別でみると、主要市場で増加したのは西欧(0.1%増)と南米(1.1%増)だけで、そのほかはすべて落ち込んだ。減少幅はアジア太平洋で8.0%、北米で1.1%、中東欧で0.4%に上った。中国は7.4%減の156万1,700台だった。
ブランド別ではスカニア(10.4%増)とMAN(9.8%増)、VWブランド商用車(2.4%増)、セアト(7.7%増)が増加。そのほかはVWブランド乗用車が5.0%減、アウディが5.8%減、シュコダが5.2%減、ポルシェが2.0%減だった。