独RMV、燃料電池電車27車両を仏アルストムから調達

独ヘッセン州のライン・マイン地域交通事業団(RMV)は5月21日、このほど実施した燃料電池電車27車両の入札を仏鉄道車両大手アルストムが落札したと発表した。契約規模は総額で約5億ユーロ。車両のほか、燃料となる水素の供給やメンテナンスなども含まれる。アルストムは水素の供給では、ヘキストの工業団地運営会社インフラサーブ・ヘキストと協力する。

アルストムは燃料電池電車「Coradia iLint 54」を3年後の2022/23年のダイヤ変更までに供給する。RMVは、4路線で燃料電池電車を運行する計画。動力源となる水素は、ヘキストの工業団地で工場の副産物として確保できるため、同工業団地で電車に補給する。

RMVは、高架線が整備されていない地域で運行されているディーゼル車に代わる電車として燃料電池電車を導入する。燃料電池は水素と酸素の化学反応で発生する電気エネルギーを利用したもので、水しか排出しないため、環境にやさしい利点がある。連邦政府はディーゼル鉄道の調達費用と比べたコスト増加分の40%を支援しており、RMVの先行事例に続いて燃料電池電車の導入が活発化することを期待している。

なお、ドイツではすでに、2018年9月からニーダーザクセン州で水素燃料電車2両が定期運行している。ニーダーザクセン州の交通事業団(LNVG)は2021年からさらに、アルストムの「Coradia iLint」14両を導入する予定。RMVは、燃料電池電車の定期運行では、ニーダーザクセン州に次いで国内2番目となるが、運行車両数では最大規模となる。

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