自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は18日、グループ全体のソフトウエア開発などを専門に手がける事業ユニットを創設すると発表した。ソフトの重要性が高まっていることに対応する狙いで、グループの全車両のOSを統一するとともに、ソフトを利用したクラウドサービスを共通化。ITアーキテクチャーの簡素化とコスト削減を図る。
自動車には現在、多数の制御機器が搭載されている。例えばVWブランド乗用車の車両には200社に上るサプライヤーが供給する制御機器が最大70個、搭載。これらの機器にはそれぞれソフトが搭載されていることから、スムーズに連携させるのは大きな手間となっている。同社はグループの全車両に共通のOS「vw.os」を搭載することで、この問題を解決する考えだ。
クラウドサービスも一元化する。これにより、例えば最寄りの充電ステーションの検索といった基本サービスをグループの全車両で受けられるようにする。
同社はこうしたソフトやサービスの開発を専門とする事業ユニットを立ち上げて、開発効率を引き上げる。同ユニットの技術者数は今年が約500人。来年はこれを約2,000人とし、25年には5,000人以上へと拡大する計画だ。車載ソフトの自社開発比率を現在の10%未満から60%以上に引き上げることを目指す。