独アーヘン工科大学(RWTH)のスタートアップ企業イーゴー・モバイル(e.GO Mobile)は19日、移動通信サービス大手ボーダフォンと通信機器大手エリクソンの協力を受けて自社工場で次世代通信技術(5G)の利用を開始した。工場内のすべての機器がほぼリアルタイムで情報を交換する「真のインダストリー4.0工場」(ギュンター・シュー最高経営責任者=CEO)を大手自動車メーカーに先駆けて実現した。
アーヘンにある同社の第1工場にモバイルエッジ・コンピューティング(MEC)およびネットワーク・スライシングという5G技術を投入した。同工場では市内走行用の小型電気自動車(EV)「イーゴー・ライフ」を生産する。
面積8,500平方メートルの生産ホールには計36本の小型アンテナが取り付けられた。通信速度は最大10ギガビット毎秒、通信遅延時間は数ミリ秒となっており、ほぼリアルタイムの情報交換ができる環境だ。
生産ホールに搬入された個々の部品は電波を用いてデータを読み書きするRFIDシステムで識別・管理される。ホールには生産ラインが存在せず、シャシーは無人搬送車で組立ステーション間を輸送される。ホール内で自動交換されるデータが外部に出ることはない。