保険大手の独アリアンツ(ミュンヘン)は24日、同社の保険商品を販売するスペインの合弁会社、アリアンツ・ポピュラールの全保有株60%を共同出資者である現地銀最大手バンコ・サンタンデールに9億3,650万ユーロで売却し、資本を全面的に引き上げると発表した。サンタンデールは蘭保険大手エイゴンの商品を販売していることから、両社は合弁を解消。アリアンツは現地で新たな販売網を確保する意向だ。来年第1四半期(1~3月)の売却手続き完了を見込む。
アリアンツ・ポピュラールはアリアンツとスペイン銀バンコ・ポピュラールが2011年に設立した企業で、アリアンツの個人年金や生命保険商品を販売している。保険料収入は年3億ユーロで、昨年末時点の資金運用総額は125億ユーロに上った。
サンタンデールは17年、営危機に陥ったバンコ・ポピュラールを1ユーロで買収。これに伴いアリアンツ・ポピュラール株40%を取得した。
アリアンツは今回の保有株売却により、投資資金を拡大することになる。ロイター通信によると、スペイン2位銀行ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)の保険部門買収に関心を示しているという。