トルコ統計局(TUIK)が3日発表した6月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比15.7%となり、前年同月(15.4%)以来の低い水準を記録した。インフレ率の下落は3カ月連続で、前月(18.7%)からは3ポイント低下した。食品や燃料価格の上げ幅が縮小したことが大きい。過去12カ月の平均インフレ率は19.9%だった。
分野別にみると、構成比重の大きい「食品・非アルコール飲料」の上昇率は前月から9.2ポイント減の19.2%へと縮小した。「運輸(自動車燃料含む)」(10%)は同2.4ポイント、「住居費・公益料金」(13.8%)は0.9ポイント低下している。
上げ幅が大きかったのは「その他の商品・サービス」(26.9%)、「家具・家庭用品」(22.5%)、「宿泊・外食」(20.8%)、「アルコール飲料・たばこ」(19.2%)、「医療」(19%)。小さかったのは「衣類・靴」(4.3%)と「通信」(5.3%)だった。
同国では昨年、通貨リラの下落を受けてインフレ率が10月に25.2%まで上昇したことから、政府は自動車などを対象とする税軽減措置の延長・拡大を決定してインフレ率の引き下げに努めてきた。また、最大都市イスタンブールで先月23日に行われたやり直し市長選挙に向けて、政府・与党が小売店に値下げ圧力をかけたこともインフレ率の低下につながった。
同国の中央銀行は今年の平均インフレ率を14.6%と予測している。