フランス政府は9日、2020年から自国発の航空機を対象に新たな環境税を導入すると発表した。乗り継ぎ便や海外領土などへの便を除き、すべての航空券に1.5~1.8ユーロを課税する。政府は年間1億8,000万ユーロ程度の税収を見込んでおり、航空機より二酸化炭素(CO2)排出量の少ない鉄道網の整備など、交通関連のプロジェクトに充てる方針を示している。
ボルヌ交通担当相が発表した新税の概要によると、国内線やフランスから欧州各地に向かう便はエコノミークラスが1.5ユーロ、ビジネスクラスが9ユーロ、欧州外への便はエコノミークラスが3ユーロ、ビジネスクラスが18ユーロとなっている。フランス着の便や同国を経由する乗り継ぎ便、コルシカおよび海外県・海外領土行きの便は課税対象から除外される。
航空業界は新たな環境税の導入に反発している。エールフランスは声明で、年間およそ6,000万ユーロの収益が圧迫され、環境分野への投資が困難になると警告した。
欧州ではスウェーデンやオランダなどが航空券への環境課税を実施している。フランスでは昨年、燃料税引き上げをめぐり、マクロン政権に抗議する「黄色いベスト運動」が全国に広がった。