光ディスクドライブのカルテル、EU裁判所が欧州委の決定支持

EU司法裁判所の一般裁判所は12日、パソコン向け光ディスクドライブの納入をめぐり、大手メーカーがカルテルを結んだとして、日本企業を含む5社に計1億1,600万ユーロの制裁金を科した欧州委員会の決定を支持する判決を言い渡した。5社は決定の無効化や制裁金の減額を求めていたが、裁判所は訴えを退けた。

欧州委は2015年10月、光ディスクドライブの製造を手がける大手8社が04年~08年にかけてカルテルを結び、パソコン大手の米デルとヒューレット・パッカード(HP)への納入をめぐる入札で談合していたとの調査結果をまとめ、このうち5社に制裁金の支払いを命じた。欧州委によると、8社は入札結果を共有したり、事業上の機密に関わる情報を交換するなどして公正な競争を歪めた。

制裁額は東芝サムスンストレージ・テクノロジーの4,130万4,000ユーロを筆頭に、日立LGデータ・ストレージ(3,712万1,000ユーロ)、ソニー(2,102万4,000ユーロ)、ソニーオプティアーク(978万2,000ユーロ)、台湾のクアンタ・ストレージ(714万6,000ユーロ)となっている。一方、オランダのフィリップス、台湾のライトオン、両社の合弁会社であるフィリップス&ライトオンデジタルソリューションズの3社は最初にカルテルを通報し、摘発に協力したとして、リニエンシー(課徴金減免)制度に基づき制裁金を全額免除された。

制裁金を課された5社は欧州委の決定を不服として訴えを起こしたが、一般裁判所は各社の光ディスクドライブがEU域内に拠点があるデルとHP傘下の企業に納入されたことなどから、カルテルがEU市場における公正な競争を阻害したと認定。欧州委の判断を全面的に支持し、決定の無効化および制裁金の減額要求を退けた。

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