独自動車大手のダイムラーは、ドイツの新興企業Volocopterが計画する「空飛ぶタクシー」の量産化への参加を検討している。ダイムラーが新しい事業モデルなどのイノベーションを推進するために設置した組織「Lab1886」のスザンネ・ハーン氏が独業界紙『オートモビルボッヘ』に明らかにした。同氏によると、ダイムラーは現在、グループ内でVolocopterの量産を支援する可能性について検討しているという。
Volocopterは、電動ヘリコプターを開発するドイツの新興企業で、タクシー用の電動ヘリコプターの量産を目標に掲げている。2017年7月に実施した増資では、ダイムラーのほか、米半導体大手のインテル、ベルリンの技術企業系投資家であるルーカス・ガドフスキ氏などが新たに資本参加した。
Volocopterのフロリアン・ロイター最高経営責任者(CEO)は7月の増資について、ダイムラーの量産化技術や、航空業界に比べて短い自動車業界の開発期間などに関するノウハウをVolocopterの今後の事業展開に生かしていきたいとの抱負を語っていた。
『オートモビルボッヘ』紙によると、Volocopterの共同創業者であるアレクサンダー・ゾーゼル氏は今後について、早期の生産開始を計画しており、具体的には、2030年までに年10万台の生産規模を目指している、と語っている。