8月乗用車新車登録が過去2番目の高水準に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した8月の乗用車新車登録台数は前年同月比0.8%減の31万3,748台となり、8月としては過去最高となった前年に次ぐ高水準を記録した。営業日数は前年同月に比べて1日少なく、これを加味した実質ベースではやや増加している。1~8月の累計は249万5,536台で、前年同期を0.9%上回った。

昨年8月は欧州連合(EU)の排ガス検査方式変更を目前に控えて駆け込み需要が殺到した。そうした事情があるにも関わらず今年8月はほぼ同水準を保っており、輸入車業界団体VDIKのラインハルト・ツィルペル会長は「ドイツの乗用車市場は極めて力強い展開をみせている」と述べた。

8月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(EV)は103.5%増の5,001台となり、これまでに引き続き大きく拡大した。シェアは1.6%に上った。

ハイブリッド車(HV)は55.1%増の1万9,852台で、シェアは前年同月の4.0%から6.3%へと伸びた。プラグインハイブリッド車(PHV)は登録数が9.1%減の3,120台、シェアが1.0%だった。

ガソリン車は2.0%減少し、シェアは前年同月の62.1%から61.4%へと縮小した。ディーゼル車は8.2%減少したことから、シェアは32.6%から30.2%へと大きく後退している。

新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均157.6グラムで、前月(158.2グラム)を0.4%下回った。EUでは昨年9月に排ガス検査方式が変更されたことから、KBAは今年、CO2排出量の前年同月比については公表しないことにしている。

車種別ではミニバンが前年同月比55.8%増、キャンピングカーが43.6%増、スポーツ車が20.6%増と大きく拡大した。需要の拡大が続くSUVは11.1%増加し、シェア22.2%を記録。長年1位を保ってきたコンパクトカー(販売台数11.6%減、シェア18.9%)に大きく差をつけた。オフロード車も10.1%増と2ケタ台の伸びを記録している。小型車は2.4%減少し、大型車は29.6%減と大幅に落ち込んだ。

伸び率が最も大きかったブランドはテスラで、前年同月比526.8%増の514台を記録。これにスマート(51.7%増の4,778台)、レクサス(32.0%増の268台)、フォード(27.5%増の2万2,713台)が続いた。

スマートとフォード以外のドイツ車ではメルセデス(22.0%増の2万8,990台)とミニ(11.8%増の3,940台)が2ケタ増となり、ポルシェ(7.3%増の3,392台)とオペル(1.5%増の1万7,871台)も前年同月を上回った。BMW(3.0%減の1万8,708台)、アウディ(10.5%減の2万5,227台)、VW(17.1%減の5万2,754台)は減少した。アウディとVWは前年同月の駆け込み需要の反動が大きい。

レクサス以外の日本車ではホンダが1.2%増の1,045台へと拡大。トヨタ(3.7%減の6,583台)、スズキ(13.4%減の2,847台)、マツダ(15.8%減の4,801台)、三菱(30.1%減の3,985台)、スバル(42.0%減の462台)、日産(42.5%減の2,601台)は落ち込んだ。

日本車以外の主な輸入ブランドをみると、ダチア(20.8%増の1万1,888台)、現代(20.4%増の1万2,977台)、プジョー(17.9%増の6,333台)、双竜(16.7%増の300台)、シュコダ(13.8%増の1万9,598台)、シトロエン(12.2%増の5,763台)は2ケタ台の伸びとなった。ボルボ(7.8%増の2,995台)、フィアット(7.3%増の7,546台)、セアト(5.9%増の1万8,228台)、起亜(2.7%増の6,155台)も増加した。そのほかはランドローバーが5.3%減の1,679台、ジャガーが19.9%減の962台、ジープが24.3%減の1,425台、DSが24.3%減の218台、ルノーが26.7%減の1万3,098台、アルファロメオが45.1%減の343台へと落ち込んだ。

一方、独自動車工業会(VDA)が3日発表した8月の国内乗用車生産台数は31万3,200台で、前年同月を1%上回った。同輸出台数は6%減の23万4,300台。1~8月の累計は生産台数が前年同期比11%減の316万400台、輸出台数が14%減の237万3,000台だった。

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