欧州で20年に電動車販売100万台超に、新規制導入で本格普及の兆し

ベルギーに拠点を置く環境非政府組織(NGO)トランスポート&エンバイロメント(T&E)は9日公表した報告書で、欧州市場では2020年に100万台超の電気自動車(EV)またはプラグインハイブリッド車(PHV)が販売されるとの見通しを示した。大手自動車メーカーは21年に導入されるEUの新規制に対応するため、環境対応車の生産を加速させており、欧州で販売されるEVのモデルは21年までに現在の3倍に拡大するとみられている。

EUでは08年、15年にEU全体で乗用車の二酸化炭素(CO2)排出量を1キロメートルあたり平均130グラムに抑える規制が導入された。21年1月以降は規制値が95グラムに厳格化され、達成できなかったメーカーは、1グラム超えるごとにその年にEU市場で販売した新車1台につき95ユーロの罰金を支払わなければならない。

報告書によると、18年に欧州で販売されたEVやPHVは約25万台にとどまった。19年は上半期に約20万台が販売され、本格的な普及の兆しが見え始めている。T&Eのジュリア・ポリスカノーバ氏は「EUの新規制導入に向け、自動車メーカーはようやく低公害車の販売に本腰を入れ始めた。消費者は今後1~2年で高品質のEVを手頃な価格で購入できるようになる」と述べた。

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