化学大手の独ワッカーケミーは12日、電池材料の有力企業である英ネクシオンに25%を出資すると発表した。シリコンベースの高性能電池材料分野で研究開発を強化する狙い。出資額は明らかにしないことで合意した。
ネクシオンはシリコンベースの電池負極材を開発、生産している。リチウムイオン電池の負極材にシリコン系の材料を用いると、これまで主流だった炭素系材料に比べて電池密度が大幅に向上するというメリットがある。スマートフォンや電気自動車(EV)など幅広い分野で容量の大きい電池のニーズが高まっていることから、各社は密度向上につながる材料の研究・開発に力を入れている。
ワッカーはシリコンベースの負極材の研究を2010年に開始し、13年にはネクシオンと提携した。今回の出資により協力関係を一段と強化し、開発を加速していく。