英が対日FTA交渉の準備本格化、企業の意見募集開始

英政府がEUを離脱してから日本とできる限り早期に自由貿易協定(FTA)を締結するための準備を本格化させている。政府は20日、国内企業などから対日FTAに関する意見を公募すると発表した。その結果を参考に交渉方針を固め、速やかにFTA交渉に入りたい考えだ。

トラス国際貿易相によると、政府はオンラインの窓口を設け、企業などから対日FTA交渉で何を優先するべきかについて意見を募集する。11月4日まで意見を受け付ける。

英国と日本は現在、今年2月に発効した日本とEUの経済連携協定(EPA)が通商の枠組みとなっている。しかし、英国がEUを離脱すると、EPAが適用されなくなるため、日本とFTAを締結する必要がある。

英政府は最大の貿易相手国である米国とFTA交渉を早期に開始することで合意しているが、交渉は難航が予想される。このため、日本と豪州、ニュージーランドとの交渉を優先して進める方針とみられる。今回の発表は、とりわけ日本との交渉を最優先する姿勢を示したものと受け止められている。トラス国際貿易相は「企業を安心させるため、(英日)双方ができる限り速やかに交渉を開始するという政治的意思を示さなければならない」と述べ、早期の交渉開始に意欲を示した。

英フィナンシャル・タイムズは、英国はEPAと同様の内容のFTAを日本と締結し、これまでと同じ条件での通商関係を維持したいと考えているが、日本側は英国からの農産物輸入などでEPAより有利となるFTAを目指しており、交渉は難航が予想されると報じている。

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