スイスの製薬大手ノバルティスがスロベニアでのペニシリン生産を停止する。同社のミヒャエル・コッヒャー社長が1日明らかにしたもので、2年以内にスロベニア北部のプレバリェ工場からオーストリア西部クンドルの拠点に移管する計画だ。ノバルティスは当初、スロベニアでペニシリンの生産を拡大する予定だったが、プレバリェ工場を同社のグローバル事業の中核拠点として整備する方針に伴い変更された。
ノバルティスはスロベニア子会社のレクを通じて経口タイプのペニシリンを生産してきた。当初の計画では、プレバリェ工場での生産拡大に向けて140人の新規雇用と1億500万ユーロの投資が見込まれていた。だが昨年末に完成した生産棟は必要な設備が整備されないまま、現在売却中だという。
レクは従業員3,400人で、首都リュブリャナに研究開発施設と生産施設を持つほか、近郊のメンゲシュ、東部のレンダバでも生産を行う。