国際通貨基金(IMF)は15日に発表した最新の世界経済見通しで、世界全体の2019年の予想成長率を3%とし、前回(7月)から0.2ポイント下方修正した。米中の貿易摩擦が生産、投資を大きく圧迫すると予測。金融危機以来10年ぶりの低水準に設定した。ユーロ圏は前回から0.1ポイント引き下げ、1.2%とした。(表参照)
ユーロ圏の成長率は18年の1.9%を大きく下回る水準。貿易摩擦のほか、英国のEU離脱をめぐる混迷も景気下振れ要因となっている。主要国の予想成長率はドイツが0.5%、フランスが1.2%、イタリアが0%、スペインが2.2%。ドイツは0.2ポイント、その他は0.1ポイント下方修正された。
20年の世界全体の予想成長率は3.4%。ブラジル、メキシコ、ロシアなど新興国の復調で回復すると見込んでいるが、前回から0.1ポイント引き下げた。ユーロ圏は1.4%で、0.2ポイントの下方修正となった。